変えてみませんか「子ども会」   〜子ども会入会者増大作戦〜
ライブラリー(TopicsBackNumber)へ戻る
2007.02.03
はじめに
 最近、子ども会に入会する子ども(家庭)が減ってきているようです。
これらは少子化による子どもの減少もありますが、もっと別な原因も多々あります。初めから入会を断る家庭以外にも、一度入会していたのに退会してしまう子どもや、子ども会は不要だと言う結論になって解散した会まであります。 ネットで検索しても、このように子ども会には参加しないという意見がかなりありました。
 子ども会の研修会や大会などでも、よくそれらの事が話し合われますが、普段から子ども会に参加している人たちだけの話し合いですから、退会したり入会しないと言う人の意識をもっと調べる必要があります。そこで、退会した人や、入会しない人の取材を行い、問題点となっていることをあらためて考え直してみました。
2007.02.04
1,子どもの育成に子ども会は不要か
 この取材で、子どもの育成に子ども会は不要かと聞くと「子ども会は不要だ」とキッパリ言う人が大勢いました。ですが突き詰めて話すとほとんどの方は、子ども会が会の目的にしている「子ども同士で作る体験」や、「異年齢間の交流がある遊び」は子どもの育成に良いと考えています。ただ、実際の子ども会活動はそんな有意義な活動をしていないと考えているのです。
現状の子ども会の活動なら、学校や他の少年団体、民間のクラブだけで充分であり、子ども会があえて必要だとは思わない、と言うことでした。
 子ども会は、他団体と異なる特徴として「地域に密接である」「異年齢の交流活動が主体」「子ども自身が運営する小規模団体」と言うことがあります。この、他の団体にはない特徴、これは子どもの発達・育成にとって大変重要な要素であると考えられています。
 では、この3つの要素が活かされて、実践されている子ども会はどのくらいあるかというと、実はごく少数派のようです。
 それでは簡単、時代に合わせた子ども会本来の有意義な活動にすれば良いのでは無いかと思いますが、長年活動を行ってきた既存の子ども会では、そう簡単にはいきそうにありません。
2007.02.13
・子ども会の特徴から見た現状の子ども会
「地域性」

 既存の子ども会も地域性は充分ありますが、それゆえの問題もあります。地域性には2つの要素があり、地域の子ども全てを参加対象者として考えそこに住んでいるだけで分け隔て無く入会資格が与えられる事と、その地域の人との繋がりを持つ活動が可能な事です。ですが、入会資格に関して言えば、全ての子どもが対象であるため、半ば強制的な入会だと言う人も少なくありません。地域の人との関係について言えば、自治会と密接に絡まっていて、子ども会が絶対にすべきだと言う行事をいくつも任されていて、それをこなすだけで大変だったり、自主活動をしようとしても町会の長老達が「今までは・・・」とか「昔は・・・」と言って結局仕切られてしまうと言う不満がかなりあるようです。また人の出入りが多いマンションなど、多種多様な人がいる中では、意見がほとんどまとまらず、ここに住んでいるから仕方なく参加していると言う人が大勢いて、全体で活動すること自体が各家庭の事情に沿わない事も多いようです。

「異年齢集団」

 異年齢集団については、集団は異年齢でも、活動においてはそれぞれが遊んでいるだけで、結局同年齢の子ども同士が集まっている。大きな子に遠慮して、小さい子が遊べる状態ではないなど、組織が未熟だったり、大人の関与がすぎて起こる典型的な問題が多いようです。

「子どもの自主運営」

 子ども自身が運営する、については、取材した限り、それに該当する子ども会はありませんでした。大人が仕切り、子どもは参加するだけのお客さん。子どもにやらせているように見えても、糸を引いているような状態。など。

○子どもの意識

 当の子どもも、参加したいとは思っていない子が結構いて、学年が上がるほどその数は多くなり、「参加したいとは思わない」程度ではなく、「参加したくない」と言い出す子もかなり増えてくるようです。
 会の目的が非常に抽象的なために、子どもは各行事の楽しさだけを物さしにします。低年齢の子は行事という「特別な日」そのものを喜ぶ傾向がありますが、高学年になれば内容を吟味するようになり、面倒くささや煩わしさ、他にすることの有無などを秤に掛けて判断するようです。今は家にゲームもあり、他に所属しているスポーツクラブや習い事などもありますから遊びに飢えているわけではありません。ですから役員さん達が一生懸命考えて、喜ぶと思って行った行事でも、ほんの些細な煩わしさで参加しない方を選択してしまう子が大勢いるのです。
 役員さんの反省会で何がいけなかったのかをよく話されますが、このプロセスではどんな行事を充てても同じような結果になります。昔のようにとにかく外へ行って子どもの塊に参加しなければ遊べないと言う時代ではないのです。
 逆にスポーツ少年団など、目的をハッキリ持った団体はかなり活発な事が多いようです。親も進んで支援し、世話をしています。それは特定のスポーツと言う、非常に明快な目的があり会の趣旨がわかりやすい事と、スポーツは心身の発達に良いという観念が親にあることから肯定的な意見が多いようです。また、ほとんどが自ら希望して入会するために「自分の意思で入っているのだから」と言う気持ちが、積極的参加を心がけるようです。
 取材の中で、仕事が忙しいと言う理由で子ども会役員を拒み、子ども会を退会した人の何人かが、子ども会と比較にならないほどの活動をしなければならないスポ少のチームに子どもを入れて、子どもも親もフルに参加していました。

○ 意味のない活動

 既存の子ども会の活動は様々ですが、運営費を稼ぐための廃品回収や、行政や社会福祉協議会から補助金を貰うためにしている美化運動など、いくつかの行事の内容に疑問を持ち、その不満が大きくなって子ども会活動全体のイメージを悪く抱いてしまう人がいるようです。廃品回収で得られる金額は知れているのに、各家庭をお願いに廻ったり、運搬車両を手配したりと労力の方が多い。美化運動をしている目的が補助金だと言うことを子どもに言えない。などです。
子ども自身がお金を稼いでそれを活動費にすることは素晴らしいことだと思うのですが、実際はほとんど親がしているとか、お金のゆくへを子どもは知らないなど、意義が稀薄になってきているようです。また清掃等の美化運動は、補助金目当てではなく、街を美しくしたいと子どもに思わせてこそのボランティア活動ですから、補助金のためだけに見直すことが出来ない活動だとしたら疑問も生じることでしょう。

 その他にも、その地域独特で、参加者が意味を感じない活動が多々あるようです。きっと始まった当初は何らかの意味があったのでしょうけど、行事を見直すことなく毎年行われていると、当初の意味も薄らいできて、このように各行事への疑問が高くなり、最終的には子ども会自体の意味すら不明瞭になってくるようです。

 最も悪い例として、絶対外せない自治会の行事が年間にかなりの回数有り、会員の負担軽減のために外せない行事だけが残って、あとの行事が全て無くなってしまったと言う会です。また、役員の負担軽減を重んじてしまったあげく、年間行事は育成会の総会だけと言う信じられない会もありました。

2007.02.23
2,どうしたら入会する気になるのか
 必要性を感じない、と言う言葉で終わってしまっては話が進みませんので、どんな子ども会なら入会するか、と言う言葉に変えて話を進めてみます。
まず第一に気になったことは、各家庭が参加する組織や団体の多さです。子ども会だけではなく、PTA、スポーツ少年団、それぞれの家庭で有用だと考えている民間団体、それにくわえて稽古事など。また兄弟がいれば、それぞれに属すものがあり、親はかなりの組織に属すことになります。
子ども自身もあまり関心がなく、子どもにとってそんなに良いとも思えない組織、入らないですむ組織は出来るだけ入りたくない。それに該当してしまうのが「子ども会」と言う現状のようです。

 そして「役員」というキーワードも一つのネックになっているようです。各組織は必ず、誰かが代表や役になり、組織をまとめて円滑に運営する必要がありますが、子ども会は小規模の自主運営組織ですから、自分にそれが廻ってくる確率が極めて高い。また、会によっては必ず一回はすると言う事が決まっていたりします。人の前に立つこと(統率すること)ができる人ばかりではなく、苦手な人もいますから、そう言う人にとってはかなり重荷になります。 役員を拒む人の中に、側面からかなりの手伝いをしている人が大勢いました。つまり時間的な都合よりも本当は責任者となって運営することを嫌がっているような気がしました。

 また、上の子の時に役員になっても、下の幼い子を残して会議に出ることが出来ないなど核家族化による問題や、共働きで多忙であると言うことも原因になっています。
よく、同じ条件でも他には出来ている人がいるので、仕事や核家族などは断る理由にならないと言われますが、職場の雰囲気の違いや、子どもの性質の違い、核家族と言っても近所に身内がいる人もいれば、助け合える知人すらいない人もいます。皆が全く同じとは言えません。また会に対する考え方の違いもあり、それが役員を逃れる理由にならないと言われた時点で、脱会する方が得策となってしまうようです。


取材した結果から、現実的かどうかはさておき、こうすれば入会すると考えられる事を書きだしてみます。

組織について
 ・完全独立組織とし、活動については他の組織から干渉を受けない
 ・組織自体の教育的有用性を示す
 ・上位組織に役員を出さないが保険などの恩恵は受けたい
 ・入会は希望者のみで、退会は理由、時期を問わず自由。
 ・役員を輪番で廻さない(出来る人が出来るときに出来ることをする)
 ・会員数を20家庭程度にする。

活動について
 ・子どもが進んで参加したいと思えるような行事をする
 ・各行事を行う理由を明確に示す
 ・行事数を増やしてその都度自由参加とする(事業参加を強制しない)
 ・伝達網を整備し、不要な会議は出来る限りしない
 ・今年の活動は今年の会員が出来ること、やりたいことを決める。
 ・過去の活動に一切とらわれない。


まあ早い話、嫌がる理由を逆に考えてみたらこう言うところです。これを見たら「こんな事無理だ」と思い、鼻で笑う人も多いと思いますが、まあ一つ一つ考えてみましょう。
2007.03.03
3,具体的対策
組織について

・完全独立組織とし、活動については他の組織から干渉を受けない

 これは子ども会が自治会の一部になっている場合の不満を解消するためですが、 これが意外と難儀で郡部地域では最も難しいかも知れません。 まず、子ども会役員が地区の役員の兼務である場合、独立させる事 そのものに反発が出てしまいがちです。独立させた場合でも、地区が子ども会に割り当てていた行事、例えば地蔵盆や清掃、祭り、敬老会への参加、地区の運動会など、調整しなければならない行事が山ほどあり、独立しても結局似たようなものになってしまう事が考えられます。
 独立の意味は、独自の事業展開にありますから、一旦これら自治会に関わるすべての行事をご破算にしてから、地域活動へは改めて必要なこと、出来ることを考えながら参加する行事を決める必要がありますが、自治会の側では「困る」「身勝手だ」という意識が先に立ちます。子ども会側にしても独立したとは言え、地域の組織ですし各家庭はその地域に住んでいるのですから無碍に「出来ません」「それには参加しません」とは言えないと思います。
 これら、地域のしがらみが無い子ども会ならこの項は簡単にクリアできますが、しがらみがある子ども会では、取りあえず独立し、一旦従来の割り当て事業全部を引き受ける形にして、出来ないことを自治会に通達していく形式が妥当かと思いますが・・・・・。はたしてどうでしょうか。

・組織自体の教育的有用性を示す

 子ども会っててなんの為にあるの?って言う、この部分が曖昧な事を理由に「不要」と言う人が多いようです。最初に書いた子ども会の特徴とそれによって子どもの社会性や情緒が発達する事が研究によってわかっていますので、会員にはこれらをよく理解して頂き、自ら入会した方が良いと思ってもらう事が必要です。

・上位組織に役員を出さないが保険などの恩恵は受けたい

 既存の子ども会はその大部分が学区なり市町の連合組織に加入しています。単位の役員になれば上位組織の会員となり、必然的にまたそこでの役員決めに参加しなければなりません。大きな市や町なら良いのですが、小さな町では当たる確率も高く、当たらずとも会議や事業に出る必要があり、それが意に反する場合もあります。
 上位組織の行事は、単位としても参加価値が高い事も多いのですが、その仕事量と価値とを秤に掛けたとき、仕事量の方が多いと感じる人も多く、上位組織に属したくないと言う会もあります。
また何も言わず上位組織に属している会でも、保険や物資の貸し出しなど、ごく一部の事業だけに価値を高く評価して、そのためだけに渋々入会している場合が少なくありません。 
 また、上位組織の「動員」に不満を言う人が多くいました。行きたくない研修会や人数集めのためだけの動員に疑問をもち、実際以上に大変だというイメージが付いているようです。
ただ、少し言わせていただけば、嫌々でも来ていただける方は何かしら子ども会に意義を見つけているようで、研修会などに来た人の大半はめんどうだったけど来て良かったと言われます。

 我々はその上位組織の役員です。今後、皆様の意見を参考に、何が必要で何が不必要なのかを見極めて、時代に合わせた組織作りをしていくべきと考えております。
 上位組織は自分の子ども会とは違い、他団体との連合組織ですから簡単に変えられ無いと思いますが、連合組織は各単位の集まりです。それぞれの単位子ども会が、こうすべきと思えば、必ずそうなります。大多数が不要と思えば無くなりますし、必要と思えば残ってくるでしょう。

・入会は希望者のみで、退会は理由、時期を問わず自由。

 自ら入会届けを出して入会する方式は、入った人が活発に動きます。もちろん既存の子ども会も任意団体ですから入会は自由なはずですが、地域の取り決めでほとんど強制的であったり、他の団体や学校で子ども会に入会していることが当たり前のような雰囲気がある場合、(滋賀県内では未確認ですが)入会していない子どもに不利益がある事もあるようです。
既存の会では一旦全員が入会する形を取っている所も多く、退会したい時には退会の意思を強く示さなければならないのでは、なかなか退会するとは言えません。入会希望者が届け出て入会となる、このように手順が逆になるだけでずいぶん違うと思われます。
  ちなみに、これだと入会する人などいなくなると言う方がたまにいますが、そんなにみんなが入会したくないと思っている会なんでしょうか?もしそうならその会の存続にどんな意味があるというのでしょう。既存組織の最も悪い点は、組織の存続が最優先になってしまうことです。皆がこうあるべきだという会に、随時変化していけば希望者がなくなる事など有りませんし、子ども会自体が必要ないと本当に皆がそう思うのだったら無くなっても仕方がないことです。

・役員を輪番で廻さない(出来る人が出来るときに出来ることをする)

 「役員は平等に当たるべき」この考え方で役員を決めている会が圧倒的多数です。これはもっともなご意見です。
 ですが、それが本当に平等なのでしょうか。人は仕事も収入も異なります。家族構成も身体状態や取り巻く環境も人それぞれです。また得手不得手も人それぞれです。同じ事をすることが平等とは言い切れないものです。
 誰にでも出来ることだと他人は思っても、人前に立つだけで震えが来る人、過労死するかと思うくらい日常的に忙しい仕事の人、核家族で幼い子がいる人、介護が必要な家族がいる人。目に見える理由もあれば、本人しかわからない理由まで、役員を出来ないと思っている人にもそれぞれの事情があるものです。
調子良く、他の人にめんどうくさい部分を押しつけている自己中心的な人も確かにいますが、みんながそうではなく、いえ、ほとんどの人は逆でした。 そんな自己中な人を見ても「あれで許されるなら私も」「まじめな自分が損をする」と思わないで、せめて自分は奉仕の気持ちを持とう、そう思って欲しいです。 もちろん気持ちはわかります、自己中な人の子どもの面倒まで見なくてはならない腹正しさ、何もしないくせに文句だけは言ってくる。ムカッとします。でも、これはボランティア活動の一つなんです。見返りを求めず、地域の子どもを楽しませてあげよう、そう思えばそれほど腹も立たない・・・・・・・・気がするのですが・・・・・・・・。

 年間行事予定を作る人、行事を進めていく人、それに協力する人。気の合う仲間同士でバーベキューをしようよ、と言う感覚でそれぞれの行事を決めていけたら良いと思うのですが。

 ほとんどの会には規約があり、会長を決めて、数人しかいないのに総会まで開いている。会議では次第が印刷されてあり、挨拶から始まって・・・・・。
まとめ役や代表者は確かに必要ですが、会員数の割にはあまりにも重々しい会がたくさんありました。
 「もっとスリムに」「もっと気楽に」 たまたま活動に教育的要素が含まれていたと言うだけで、本質は子どもの遊びの会なんです。

 代表者の荷が軽くなれば輪番で廻さなくてもスムーズに決まるようです。あるアパートの子ども会では、出来てから役員を断った人がいないと言っていました。それは役員になっても、連絡網の発信者になるか企画の際に集まる手配をするだけだから、実際の活動では他の人とそれほどすることが変わらないため、だそうです。


・会員数を20家庭程度にする。

 たまに会員数200家庭や300家庭と言った大規模子ども会があります。そこまで多くなくても100に近い単位子ども会は結構あります。このような子ども会は運営がかなり大変です。こうなると、きめ細かい配慮や、子どもの自主運営が困難になりますから、できれば地区ごとにもう少し細かく分けた方が良いかと思われます。その一つの子ども会と話しましたが自治会の補助金の事がある、自治会の中の区割りが不均等など、様々な問題をあげられ、無理だと判断されておられました。
2007.03.10
4,具体的対策 2
活動について

・子どもが進んで参加したいと思えるような行事をする

 子ども会の大多数は毎年同じ行事をしています。うちの子ども会は○○と○○と○○をやってます。皆さん即答できるくらい、変化無いようです。結果的に毎年同じでも構わないのですが、今年は何をしようと 子ども主体で決めているかどうかです。毎年同じが当たり前になってしまうと、「しよう」ではなく「しなければいけない」になってしまいます。しなければいけない行事になってしまうと、どんどん重荷になり、手間を省くようになったり、形を整えることが先決になったりします。これをしよう、と毎年決めて、本当にしたいことを、したい内容にしていくことは出来ます。どの子ども会でも、まず行事の見直しと、決め方から変えていく必要があると感じました。

・各行事を行う理由を明確に示す

 行事にはスポーツや旅行、ゲームのような楽しさを追求する行事もありますが、清掃、募金運動などボランティアに関係する行事では、楽しい面ばかりではなく、子どもが嫌がるものもあります。何故それをするのか、またその中でどうやって楽しさや喜びを見つけるようにしたらいいのかなど、「毎年やっているから」「子ども会の仕事だから」と言う理由ではなく、進んですべきことだという理由を理解させて協力しようと思わせる必要があると思います。
 子どもの楽しさを追求する行事なら、協力してくれた大人に子どもがお礼を言うべきですが、ボランティア活動の場合は参加した子どもにお礼を言うべきですね。ですが大勢の子ども達の前で「みなさん今日はありがとう」だけでは、あまり嬉しくないものです。個々の子どもそれぞれに、行事の最中でも後からでも、その事について心からの感謝の気持ちを伝え、町の人皆がお礼をきちんと言えば案外子どもの心に残るものです。

・行事数を増やしてその都度自由参加とする(事業参加を強制しない)

 このご時世に行事を増やすのか、と言われそうですが、参加できる行事の選択肢を増やすと言うことです。
全員参加。それは理想ですが、それがネックになって重荷になっている子ども会もあるようです。
自由参加の行事を増やして、子どもが自由に選び、選んだ行事を子どもが作り上げていくと、次第にかなりの行事に参加意欲が湧く事があるようです。

・伝達網を整備し、不要な会議は出来る限りしない

 総会に定例会議、上位組織の会議など、特に育成会では会議が多いようです。事業前など打ち合わせの会議は大切ですが、伝達でも良いような時や特に決めることがない時にでも会議があり無意味とか、来ていない人が多いような会議では意味がないと言う人が結構いました。
小さい会ではあまり聞きませんが、少し大きな会では携帯メールなどの伝達網をうまく使えばもっと合理的にできるのではないかと言う意見がありました。

・今年の活動は今年の会員が出来ること、やりたいことを決める。

 役員が交代する時、ほとんどの場合引き継ぎが行われます。いつどんな会議に行って、保険はこうして、行事は何月にこれがあるからこの準備をして・・・・など。
県内の大部分の単位子ども会役員は1年交代ですから、良くわからず取りあえず皆さん引き継いだ事を全うしようとします。ここに変化できない大きな理由があります。引き継ぎをする人は、次の人が困らないように最善の配慮で、事細かく伝達します。ですが引き継がれた人はそれがすべて役目になってしまい、引き継いだ事すべてをこなして行かなくてはならない気がするわけです。
 年度初めに、必ずその年の活動を決めるようにすれば良いのですが、引き継がれる方は慣れていませんから、今までのことを参考に、むしろそのまま使われる事が多いようです。
できれば役員を1年交代ではなく2年目には補佐役として残り、基本的には前年と違う取り組みをすることを目指した方が良いような気がします。

・過去の活動に一切とらわれない。

 子どもが会を卒業するまで、会員はほとんどの場合、前年にいた人も含まれます。 次の年には何となく去年したことを今年もする雰囲気が出来上がってくるものです。
また、以前に失敗した行事や無理だと判断した行事など、話題に上がっても過去にこうだったと言う一言で打ち消されがちです。 まず、年度の最初には、今年の会員である子ども一人一人がどんな子なのかを把握して、去年のことは一切考えずに今年何をするかを決める方が良いと思われます。
これをしよう、これがしたいと思った時に、初めて過去の例を今年の行事達成のために参照にして欲しいです。
2007.03.14
5,疑問を感じる事例
・役員関係

【事例1】

 うちの子ども会では地蔵盆、盆踊り、運動会などの行事もありますが、毎週土曜日にソフトボールをやります。でもうちの子はソフトボールが嫌いで参加していません。でも役員はまわってきます。他の行事もありますから引き受けていますが、ソフトボールの世話を毎週しなければいけません。(参加していない)うちの子どもは家で放ったらかしにして、毎週よその子どもの世話をしなければならないことに疑問を感じます。

【事例2】

 小5の子と幼稚園年中組の子どもがいますが今年度で子ども会を脱会します。
次年度に小6になると、役員が廻ってきます。私がなるとは限りませんが、くじ引きで、しかも1/3の確率ですから可能性は大です。ここの役員は校区の役員になるそうで会議も多く事業もたいへんらしいのです。うちは幼稚園の子どもがいて、今は出来る状態ではありません。以前「出来る範囲で構わないから」と言われてなった人が「これは出来ない」と言った時、「役員になった以上はきちんとしろ」と言われていたので、みんなの言うことなんか信用できないと思っています。主人は毎晩夜中の帰宅で、土日も仕事が多く、私だけでする以外ありませんし無理だと思っています。

【事例3】

PTA役員に当たっているので子ども会役員まで引き受けられません。でもそう言っても無理なんです。スポ少は役ではありませんが、みんなでする世話もあるし。もう子ども会は脱会するしかありません。

【事例4】

今年は子供会の会長でした。子供が3人、3年、1年、3歳。この任期が終われば退会します。1回役をしたら文句も言われないと思いますし、うちの子はあまり参加したがらないので入っていても意味がありません。自分の子どもとは遊んでやれずに忙しい行事の世話はもう勘弁です。

【事例5】

 うちの地域では子供会もPTAもスポ少育成会も、「働いていることは役員免除の理由にならない」と厳しく言われています。先日子供会で役員にあたりました。サービス業なので土曜日の会合や土日の行事は仕事で絶対出席できませんと言ったら、「ではあなたの子どもは参加させない」と言われました。

【事例6】

 今年度の役員です。次年度の役員を決める会議で半数以上が欠席でした。来ている人から決めようとすれば真面目に来ている者が損をするのはおかしいと言われ、全会員で平等にくじ引きにし、当たった人に連絡したら、行っていない時にそんな決め方をするのはおかしいと言われ、結局決めることができませんでした。日を改めて後日会議を開いてもまた同じで、予め手紙に「来ていなくても当たることがある」と書いてたのにそんな事を了承した覚えはないと言われ決まりません。こんな風に毎年揉めています。

【事例7】

 2年後に役員が廻ってきます。ハッキリ言って私には無理です。みんなをまとめることも、会議で議長になることも私には出来そうにありません。怖いです。 でも仕事をしているわけでもないし、断る理由がありません。脱会したいと思うのですが子どもが可愛そうですし、まだまだ先なのに今から憂鬱です。何とかならないでしょうか。引っ越したいとまで考えてしまいます。


・行事関係

【事例1】

 うちの子ども会では毎年お祭りに参加するのですが、宗教色がとても強いんです。うちは転入者で、全く違う宗教なためそれを強要されることに強い違和感を覚えます。来年役が当たると言われていますが、役になればそれを仕切らなければならないと言われ脱会を考えています。でも自治会と連動しているので辛いです。

【事例2】

 子供会で毎年商店街の掃除をします。ですが商店主の子よりも無関係な子供の方が多いのに、なぜ商店街の掃除をするのか疑問です。

【事例3】

 以前、子ども会主催の人権学習に参加しました。でもPTAでも青少年育成会議でもほとんど大差ない人権学習に参加させられました。これも役員の仕事の1つかと思いますが、なんか無意味では?

【事例4】

 2年前に引っ越してきました。子供が小6だったのですぐに役員になりました。するとPTAからPTA賛助会員の会費を集める仕事は各地区の子ども会役員の仕事と聞かされ驚きました。全然知らない土地で、子どもと無関係の人のお宅を廻って集めてまわるのです。ずっと住んでいる人ばかりなら地区の子ども会役員から頼むのは頼みやすいのかも知れませんが、この仕事は子ども会役員がすることなのでしょうか。

【事例5】

 ここの学区子ども会は小学校の通学班を単位子ども会がそのまま一つの班としています。でも6年生が多い班や1年生が多い班などいろいろ出来てしまい、不公平な気がします。たった一人の6年生が多くの1年生を連れて行くこともあり、その6年生の心労は大変なものです。また、それがあるために子ども会は強制的な入会です。

【事例6】

うちの子ども会では毎年どんどん焼きをするのですが、会員が少なく年々大変になります。自治会に応援を頼んでも当てにならず、子ども会がするものと考えています。他にも地蔵盆や祭りがありますが、昔の子どもが大勢いた頃のままやらなければならず、負担が大きいです。もっと(会の)サイズにあった事をして子どもを喜ばせてあげたいと思うものの、既存行事をこなすだけで精一杯です。

【事例7】

廃品回収を今年はやめました。すると子ども会とは関係のない人(ずっと昔の役員)が現役員とはほとんど話し合いもせず、勝手に子どもを集めて行事(廃品回収)をしていました。こんな事おかしくないでしょうか。

【事例8】

子ども会費がやたら高い。何に使ってるかと言えば旅行と記念品。その割にはあんまり喜んでない子ども達。う〜ん疑問。

【事例9】

新しい行事を考え案を出したら、大変になるだけだって猛反対にあった。これで良いの?

【事例10】

敬老の日に行政(自治会?)が行ってる敬老会で劇とか合唱をします。それ自体はとっても良いことだと思っているのですが、うちは夫婦とも遠方で親が暮らしているため、その日はどちらかの実家に行って自分の親(子どもの祖父母)を労いたいのです。会場では自分の孫を見て喜んでいるお年寄りを見て、うちの祖父母は敬老の日でも見ることが出来ないのかと思うと何だか釈然としません。でもうちだけ抜けるわけにもいかないので電話で済ませていますが。
2007.03.20
おわりに
 子ども会をやめたいとか、疑問を持っている人から集めた意見をもとにしていますから、すごく否定的な内容になってしまいましたが、子ども会に進んで参加している子ども達も、それを進んで支えようとしている指導者・育成者の方達も大勢います。役員になっても子どもが喜びそうなことを考えたり、子どもと一緒にどんなことをしたいか考える事を楽しいと感じている人もいるのです。強制も無理もせず、親も子ども楽しもうと考えて出来ることからはじめて欲しいものです。
 また、何も従来通りの子ども会がダメだというわけではありません。何の問題もなくいつも通りみんなで行事を楽しんでいる子ども会はたくさんあります。それならそれで良いのです。楽しかったことは子どもの心に良い社会のイメージを植え付けます。 「子どもが楽しめるようにすること」それが基本です。


 否定的な事ばかりでは疲れてしまうと思います。脱会する人が増えているという話を聞いて、非常に軽く、かつ前向きに答えて下さった方の意見を掲載して特集を終わりにしたいと思います。

・「子ども会を脱会?? ええんちゃう別に義務とちがうんやから。こっちは楽しくやっとくし、また入りたいって 思ったら入ったらええやん、そんなもんやで子ども会なんて」

・自治会のおっさんがなんか言うたら、「ごちゃごちゃぬかすんやったらおっさんがやれや」って言うたらええやんけ(おばはんかもしれへんけど)。

・「今度の日曜、行事やで」「来られへんの?」「ほな来られる時はおいでや」でええんちゃうの。

・廃品回収はほんまたいへんや。けど適当でええやん。金儲かるんやったら一生懸命になるやろし、金儲かれへんねやったらやめたらええんとちゃうか。

・役員に、この事業はお前に任せるって言う権限をあたえて、役員はまとめ役だけでなんもせんでええように決めたら、みんな逆に役員になりたがるんとちゃうか。ははは。

・子ども会なんか適当に楽しんだらそれでええやん。何を難しい事言うとるねん。

・そんなことを真剣に考えてる人が多いんやな。 自分の家庭が第一や。不都合があったらやめる。それを誰が文句いえんねん。 せやけどわりと楽しいけどなぁ、子ども会は。俺は好きや。

・役員なんか適当に引き受けて、出来ることだけしたらええのに。「これをしてくれへんかったら困る」なんて言う奴が出てきたら、そいつにやらしたらええねん。

おわり
 どうぞあなたのご意見をお寄せ下さい。

滋賀県子ども会連合会(メール)
ライブラリー(TopicsBackNumber)へ戻る